1.糖尿病性網膜症(DR)は、成人における失明の主な原因
2.骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)での治療とは
3.糖尿病合併症は、幹細胞治療で治る
1.糖尿病性網膜症(DR)は、成人における失明の主な原因
糖尿病は悪化すると合併症を引き起こすことは、ご存知ですか。糖尿病性網膜症(DR)は、糖尿病合併症で起こります。合併症を放置すると失明することがあります。実は、糖尿病性網膜症(DR)は、成人における失明の主な原因の一つなのです。しかし、幹細胞によって糖尿病は治せると言われています。近年、脂肪組織と骨髄に由来する間葉系幹細胞(MSC)は糖尿病性網膜症(DR)の新しい治療法として検討されています。糖尿病性網膜症(DR)は、網膜の光に敏感な組織の血管に損傷を引き起こす糖尿病の合併症のことです。糖尿病性網膜症(DR)は、非増殖性DR(NPDR)と増殖性DR(PDR)の2つの段階に分類されます。治療は糖尿病性網膜症(DR)の後期に利用できますが、現在初期段階で患者さんに提供できる唯一の治療戦略は、危険因子である血糖値と血圧を管理することのみです。悪化してからでは間に合いません。根本的に糖尿病を治療してみたいと思いませんか。
2.骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)での治療とは
糖尿病に対する治療が行われている幹細胞には多くの種類が存在します。現在、糖尿病性網膜症(DR)における再生医療の取り組みとして、骨髄間葉系幹細胞(BM-MSC)、脂肪幹細胞(ASC)、人工多能性幹細胞(iPSC)など、さまざまな幹細胞が検討されています。脂肪幹細胞(ASC)と骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。脂肪幹細胞(ASC)と骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)は、網膜の再生と回復に有望であるとされている間葉系幹細胞(MSC)の一種です。骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)、特にヒトCD34 +細胞の使用は、ヒトの網膜血管疾患の治療に有用であると言われている治療法です。幹細胞はとても万能で、あらゆる細胞になることが出来ます。硝子体内に注入された骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)は網膜の内側に注入され、網膜内皮細胞に分化し、糖尿病性網膜症(DR)など虚血性血管損傷を改善することで視力を回復することが報告されています。つまり、幹細胞が網膜の損傷した細胞に取って代わり、正常細胞になることが出来るのです。今までにない根本的な治療であると思いませんか。
また、網膜虚血再灌流障害を持つラットにヒトCD34+細胞のみを注入した群とヒトCD34+細胞だけでなく骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)も注入した群では網膜血管系への定着率が約2倍に増加しました。つまり、骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)は同時注入でヒトCD34+細胞の定着率を高めることが報告されています。幹細胞は自身があらゆる細胞になれるだけでなく、他の細胞の定着率を上げることも出来るのです。まさに万能細胞ですね。
3.糖尿病性網膜症(DR)に対する幹細胞治療結果
以下、実験結果です。網膜虚血再灌流障害ラットに、再灌流の7日目にASC(脂肪由来幹細胞)を注入し、その治療能力を評価しました。(図A)緑色と黄色は経口タンパク質です。緑色より黄色の方が色がはっきりし、不明瞭な部位が少ないと思いませんか。また、網膜虚血再灌流障害におけるB波の振幅(光への感度)を調べました(図B)ここでは、CD140b+(CD分類はヒト白血球を主としたさまざまな細胞表面に存在する分子(表面抗原)に結合するモノクローナル抗体のこと)かつ(脂肪由来幹細胞)注入群で上昇していることから、CD140bによって視覚機能が改善したことが分かりました。幹細胞は特定の条件下において著しく効果を発揮することが出来るのです。
当院では、Ⅱ型糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症の治療にも幹細胞を用いた治療を行っています。糖尿病性網膜症は放っておくと失明につながることがあります。幹細胞治療によって、糖尿病合併症を治療してみませんか。当院では大学病院や多数の病院と連携した安全で正確な医療を提供しています。是非一度、当院での治療を検討してみてください。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6801872/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3638665/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5068793/
病院へのお問い合わせ、カウンセリングの予約は下記の通りです。
TEL: 03-6228-7070